展覧会 Exhibition

香る景色と見えない世界

香る景色と見えない世界

日程:2026年04月01日05月31日

「香り」や「匂い」は、人間がもつ五感の中でもとりわけ主観性が強く、他者と共有することが難しい感覚です。ある香りを心地よいと感じる人がいれば、不快に捉える人もいるように、その受け取り方は生き物や個人の感覚に深く依存しています。また、人間には知覚できない香りを感知する生物も存在します。このように、嗅覚によって立ち上がる世界は、生き物がそれぞれの感覚によって形づくる固有の世界――環世界――にほかなりません。本展が目指すのは、その違いを一つにまとめたり、理解不能なものに迫ったりすることではなく、互いに異なる感覚が確かに存在していることを認め、その多様性そのものを想像し、共感する試みです。私たちは同じ世界を生きているように見えて、実際にはそれぞれ異なる世界を感じ取っています。その違いに気付いたとき、世界はむしろ豊かに広がり始めるのかもしれません。

本展では、常木理早、廣瀬智央、前田真治の3名のアーティストが、身体や感覚を通じて多様な知覚のあり方を探る新作を中心に紹介します。感覚の奥行きから立ち上がる、見えない世界の広がりをご体感ください。

開催概要

会期 2026年4月1日(水)~5月31日(日)
会場 佐賀大学美術館 1階(ギャラリー1,ギャラリー2,スタジオ)
開館時間 10:00~17:00(入館は16:30分まで)
休館日 休館日:月曜日(ただし5月4日は開館)、5月7日
観覧料 無料
主催 佐賀大学美術館
協力 THREE ホリスティックリサーチセンター、理化学研究所 環境資源科学研究センター、小山登美夫ギャラリー、株式会社きやまファーム、Cafe Sampo
企画 五十嵐純(佐賀大学美術館学芸員)
デザイン みさこみさこ

関連イベント

オープニングトーク
日時 2026年4月1日(水) 15:30~17:00
登壇者 常木理早、廣瀬智央、前田真治
会場 佐賀大学美術館 受付集合
参加費 無料
対象 どなたでも
申し込み 先着20名、3月3日(火)より事前申込制(TEL 0952-28-8333)

参加アーティスト3名によるアーティストトークを行います。

THREEホリスティックリサーチセンター×廣瀬智央 ~香りのダイアローグ~
日時 2026年4月5日(日) 13:00~14:30
講師 大髙 昌(THREE ホリスティックリサーチセンター/シニアホリスティックケアスペシャリスト)、廣瀬智央
会場 SUAM PLUS 1階
参加費 無料
対象 どなたでも
申し込み 先着10名、3月3日(火)より事前申込制(TEL 0952-28-8333)

廣瀬智央の作品から着想を得て調合された精油を用い、香りを通して対話を行うワークショップを開催します。嗅覚に意識を向けながら香りを味わい、その感じ方や受け取り方が人それぞれ異なることを体感します。「分かり合うことの難しさ」や「不確かさ」を前提に、香りを手がかりとして、自分がどのようにありたいのか、世界とどのように関わっていたいのかを静かに見つめ直す時間です。

ワークショップでは、「香りを通じて自分と他者の世界の違いに気づくプログラム」と「見えない香りを言葉として捉えていくプログラム」の二つを行い、感覚の豊かさや新たな気づきを共有していきます。

担当学芸員による展覧会解説
日時 2026年5月2日(土) 13:00~14:00
会場 佐賀大学美術館
対象 どなたでも
参加費 無料
申し込み 不要、当日会場にお越しください。

アーティスト

常木理早 TSUNEGI Risa
常木理早 TSUNEGI Risa
Photo:山谷佑介/Yusuke Yamatani

1982年群馬県生まれ。ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジにて絵画を学び、2009年グラスゴー芸術大学にてMFA修了。園芸や体操競技、劇場あるいは電車内といった特定の環境下における道具とそこから導かれる動作に着想を得て、日常に溢れている一見関連のないモノとイメージを組み合わせた立体作品やインスタレーションを制作している。主な展覧会に、「ここにあるー記憶と忘却、または表裏」(2023、Study : 大阪関西国際芸術祭 Vol.3、大阪)、 「しなやかなボディ」(2023、Waves Project、神奈川)、「黄金町バザール」(2019/ 2020/ 2021、神奈川)、など。

《ある日の卓上》
2025年 ミクストメディア、ファウンドオブジェ/ インスタレーション サイズ可変
Photo by Kabo(花坊)
展示風景:「ある日の卓上」(EOMO store、静岡、2025年)
《ある日の卓上》 2025年 ミクストメディア、ファウンドオブジェ/ インスタレーション サイズ可変 Photo by Kabo(花坊) 展示風景:「ある日の卓上」(EOMO store、静岡、2025年)
《トイレットペーパー》 (EN: Toilet Roll
2025年 コンクリート、アクリル サイズ可変(9.5 x 9.5 x 11.5cm each)
Photo by Kabo(花坊)
展示風景:「ある日の卓上」(EOMO store、静岡、2025年)
《トイレットペーパー》 (EN: Toilet Roll 2025年 コンクリート、アクリル サイズ可変(9.5 x 9.5 x 11.5cm each) Photo by Kabo(花坊) 展示風景:「ある日の卓上」(EOMO store、静岡、2025年)
《フラットな関係》
2023年 ミクストメディア/ インスタレーション サイズ可変
展示風景:「ここにあるー記憶と忘却、または表裏」(Study : 大阪関西国際芸術祭 Vol.3、大阪、2023年)
《フラットな関係》 2023年 ミクストメディア/ インスタレーション サイズ可変 展示風景:「ここにあるー記憶と忘却、または表裏」(Study : 大阪関西国際芸術祭 Vol.3、大阪、2023年)
《しなやかなボディ》
2023年 ミクストメディア 94 x 200 x 127cm
展示風景:「しなやかなボディ」(Waves Project、神奈川、2023年)
《しなやかなボディ》 2023年 ミクストメディア 94 x 200 x 127cm 展示風景:「しなやかなボディ」(Waves Project、神奈川、2023年)
廣瀬智央 HIROSE Satoshi
廣瀬智央 HIROSE Satoshi
Photo:Emy Amaro

1963年東京生まれ。多摩美術大学卒。ミラノ・ブレラアカデミー修了。ミラノを拠点に活動。インスタレーション、彫刻、写真、絵画、ドローイング、パフォ-マンス、プロジェクトなどの多様なメディウムを使い、視覚以外の感覚領域や身体へアプローチなど、鑑賞者の想像力を掻き立てる作品を創出する。境界を越えて異質な文化や事物を結びつける脱領域的な想像力が創造の原理となっており、日常生活の体験と関わりを軸に、世界の知覚を刷新する表現を創りだす。近年の主な展覧会に「Sky studies」(2024年、カラセッタ現代美術館、カラセッタ、イタリア)、「月の裏側」(2023年、小山登美夫ギャラリー、東京)、「地球はレモンのように青い」(2020年、アーツ前橋、群馬)など。主な収蔵先に、マイクロソフト・アートコレクション(レドモンド、アメリカ)、森美術館(東京)。

《クールダウン》
2025年(2001年) 寒冷紗、ペルシャン絨毯(ギャッべ)、ミント、ミントオイル サイズ可変
展示風景:練馬区美術館(東京、2025年)
Photo by Tartaruga
《クールダウン》 2025年(2001年) 寒冷紗、ペルシャン絨毯(ギャッべ)、ミント、ミントオイル サイズ可変 展示風景:練馬区美術館(東京、2025年) Photo by Tartaruga
《レモンプロジェクト03》
2020年(1997年) レモン、ステンレス、ガラス、ペイント、レモンオイル サイズ可変
展示風景:アーツ前橋(群馬、2020年)
写真:木暮伸也
《レモンプロジェクト03》 2020年(1997年) レモン、ステンレス、ガラス、ペイント、レモンオイル サイズ可変 展示風景:アーツ前橋(群馬、2020年) 写真:木暮伸也
《ミントバー》
2021年 ミクストメディア サイズ可変
展示風景:観慶丸、リボーンアートフェスティバル 2021(宮城、2021年)
Photo by Tartaruga
《ミントバー》 2021年 ミクストメディア サイズ可変 展示風景:観慶丸、リボーンアートフェスティバル 2021(宮城、2021年) Photo by Tartaruga
《ミント・ガーデン》
2021年 ミクストメディア サイズ可変
展示風景:観慶丸、リボーンアートフェスティバル 2021(宮城、2021年)
Photo by Tartaruga
《ミント・ガーデン》 2021年 ミクストメディア サイズ可変 展示風景:観慶丸、リボーンアートフェスティバル 2021(宮城、2021年) Photo by Tartaruga
前田真治 MAEDA Shinji
前田真治 MAEDA Shinji
Photo by EMIA

1976年生まれ、尼崎市在住。英国ミドルセックス大学 BA Fine Art で学び、後に中退。2007年より、アーティストグループ「団Dans」に参加し、国内外多数展示。2012年より神戸を拠点に、アーティスト集団GermanSuplexAirlinesを設立。その後、尼崎市に拠点を移し、行政や企業、宗教に至るまで、様々な社会活動に半ば強引に独自の提案をし、その「過程と結果」を作品化する活動を続けている。一連の活動は、美術が撹拌した事象を社会に残滓として留め、やがて風習や常識へと変化していく潮流の創出を目指している。主な活動は、あえて呼称をつけるなら「尼崎市全体を作品化する計画」(2017~)。また、チームでの活動として「コロナ大仏」造立(山口市/洞春寺、2024)主軸の一人として携わっている。

《なれのはて》
2024年 スタイロフォーム、アクリル塗料 H80×W180×D90cm
Photo by EMIA
《なれのはて》 2024年 スタイロフォーム、アクリル塗料 H80×W180×D90cm Photo by EMIA
《SEE WHAT I’M SAYING (fillers)》
2023年 ポスター H200×W500cm
《SEE WHAT I’M SAYING (fillers)》 2023年 ポスター H200×W500cm
《Cashless》
2019年 馬券、舟券、車券のハズレ券、桜無垢材、アクリル H200×W120×D120cm
《Cashless》 2019年 馬券、舟券、車券のハズレ券、桜無垢材、アクリル H200×W120×D120cm
《経年ディスコ》
2023年 切れかけの蛍光灯 H10×W300×D120cm
《経年ディスコ》 2023年 切れかけの蛍光灯 H10×W300×D120cm